こんにちは、2012年シーズンから湘南ベルマーレを応援しているKAZUです。
この試合はフライデーナイトJリーグで、しかもアウェイの川崎戦は2年連続の金曜日開催で今年も等々力競技場に行くことはできず、DAZNの見逃し配信による観戦をしました。
前半はボールを奪ってからしっかりと繋ぎ、縦へ相手陣内でプレイするシーンが見られ、とても良い入りだと感じたのですが、
21分に川崎が中盤でボール回しをしているところで、ゴール前に入ってきたDF馬渡和彰にボールが入り、馬渡が胸トラップでMF阿部浩之に落とし、阿部がそのままダイレクトで鮮やかなシュートを決めて川崎が先制。
37分には、同じく川崎の中盤でのパス交換から、DF奈良竜樹の前方へのパスに反応し湘南ディフェンスラインの裏を取ったFW知念慶が抜け出してシュートし、川崎が追加点を上げました。
湘南は後半開始からDF小野田将人に代えてMF秋野央樹を投入しに3バックから4バックへと変更、MF松田天馬の鋭いミドルシュートなどがあったものの1点も返すことができず試合終了。
今季2度目のスコアレス敗戦となってしまいました。
選手個々の差なのか、戦術的な部分の差なのか?
試合をチェックした後に、Twitterのタイムラインを眺めていると、この試合に関してはいつも以上に様々な見方・感じ方があることに気がつきました。
まとめると、
そんなに悪い試合ではなかった
戦術的な部分の差が出た
選手個々の差が出た
監督や選手たちのコメントを見ると、
入りは良かったのに自分たちのミスでリズムを壊してしまった
川崎得意のポゼッションでだいぶボールを持たれたので、一見すると手も足も出なかったように見える試合ですが、
前半の最初はボールを奪ったあとに複数の選手が連動してボールを受け渡しながら相手のゴールに迫るシーンがありましたし、後半に4バックにしてから相手に自由にプレイさせることは少なくなりましたし、そんなに悪くないとボクも感じています。
以前の湘南であれば、この展開なら3点4点取られるか、シュートを20本近く受けてもおかしくなかったはず。
それが、この試合の川崎のシュート数はわずか7本、後半は追加点を許しませんでした。
選手個々の差なのか、戦術的な部分の差なのか、という点についてはどちらもあると感じます。
ただし、戦術的な差が個々の差を際立たせている部分もあると思います。
確かに、選手が言う通り、また、監督が名前を挙げた2人の選手を含めて、守から攻への切り替えとなる、攻撃の起点となるパスでイージーなパスミスが散見されました。
個人的に良い選手、素晴らしい選手というのは「イージーなミスが少ない選手」と思っているのですが、
その点で言うと湘南の選手たちはみんな光る個性を持ちながらもプレイ精度が低くもったいないシーンが多くなってしまうところが見られます。
しかし、この試合では川崎の守備が素晴らしかったです。
いや、素晴らしいというか、湘南のリズムを崩す守備を淡々と遂行したというレベルかもしれません。
FC東京戦で顕著に見られるのですが、湘南の選手たちはプレッシャーにあったときにキープして持ち直せる、相手をうまく剥がしてパスコースを作って確実に渡す、ということができないので、
素早いプレッシャーを受けるとボールロストする機会が増えます。
つまり、湘南の選手たちが普段やっている前線からの鋭い出足による守備、強いフィジカルコンタクトを湘南の選手たちが受けるとなると、どこかでミスをしてしまいます。
その壁を乗り越えるべく、今季はクリアに逃げずゴールキーパーあるいは最終ラインから繋ぐサッカーを志向していると感じるのですが、
失点する前あたりから、ミスで前に出ることができず、相手の最終ラインから中盤の底で自由にボール回しをさせる展開になりました。
ここまで書いてきたことをまとめると、「個々の選手の差が原因」と書いているように見えますが、ボクは戦術的な差が大きいと思います。
2失点とも、やや重心が下がった湘南に対してボール回しをしながら湘南のスペースやギャップを突いた縦パスが起点となっています。
1点目は右サイドバックの馬渡が最終ラインのDF小野田将人のところに入ってきました。
2点目は小野田が前にいたMF田中碧に対応しようと前に出たところ、斜めの動きで時間を作ってDFフレイレと小野田が開けたスペースに入ってきた知念へボールが渡りました。
相手の出足を止めて、ボールを回収して様子を見ながら相手のギャップを突いて得点機に持っていく、ここは川崎の作戦勝ちだったように思います。
【J’s HOT POINT】J1リーグ第8節「 #川崎フロンターレ × #湘南ベルマーレ 」徹底解説!(4月19日初回放送)
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引き続き、杉岡大暉に焦点を当てて考えて見る。
記者会見で曺貴裁監督から名前が挙がったDF杉岡大暉にスポットを当てて考えて見ます。
【湘南】曺貴裁監督からの異例の叱責…愛のムチにホープ・杉岡大暉は応えられるか | サッカーダイジェストWeb https://t.co/f6PIcUxuWu#湘南 #ベルマーレ #杉岡大暉 pic.twitter.com/DRZG050YiA
— サッカーダイジェスト (@weeklysd) April 21, 2019
杉岡は左ウィングバックを主戦場として出場し続けています。
日本代表の将来を担う、大型の左サイドアタッカーとして本人も意識しながらプレイをしています。
しかし、今季ここまで、彼らしい独特の左サイドからのディフェンスラインとゴールキーパーの間を通す鋭いクロスはおろか、躍動感も感じられません。
果敢に前を向いて相手と対峙して突破を図る姿勢はいいのですが、結果が伴わずボールロストも多い。
ここで、個の問題なのか、戦術あるいはチームの問題なのかと考えた場合、
ボクは、後者の戦術的な問題、あるいはチーム全体としての戦い方の問題があると考えています。
サイドアタッカーをおおまかに2タイプに分けて考えてみます。
2つのタイプを選手で例えると、マンチェスター・ユナイテッドで活躍したデイヴィッド・ベッカムなのか、その後継としてやってきたクリスティアーノ・ロナウド(現・ユベントス)なのか?
杉岡はどちらのタイプなのか?
結論から言うと、杉岡はベッカムタイプです。
1対1でもこの力で打開でき、スペースがあればそのスピードで縦へ自ら運んでいけるCR7ではなく、
スピードや1対1で相手を剥がすことはそうそうないけど、周りの選手に活かされながらうまくボールを受けて決定的なクロスを送るベッカムに似たタイプです。
杉岡がボールロストをしているとき、あるいは行き詰まっているときを見てみると周りのサポートが少ない。
強引にドリブル突破を図り、デビューからいくつかゴールを決めていますが、その動きにバリエーションがあるわけではないので、さすがにそこは読まれています。
湘南の右サイドではDF山根視来がドリブルが得意でパスの本数が多いことも相まって、右ウィングバックの選手に良い形でボールが出たり、小気味良い連携でチャンスを作れているのですが、
杉岡のところではそれが出来ていない。
もちろん、山根が起点となっている以上、左センターバックのDF大野和成や小野田将人が同じ動きをするわけにはいかないでしょうが、
杉岡のようなタイプを活かすなら、杉岡の近くにサポートに入る、ワンツーを使う、杉岡が空いたスペースに入ったときにパスを送る、などチームとして考えていかなかればなりません。
また、杉岡に限った話しではないと思います。
この試合のように、相手の鋭い出足の守備にあったとき、ボールを受けてからプレッシャーをすぐに受けてもすぐ近くの選手に一旦預けるというような選択肢が取れるように、
もっと選手の距離感を縮めて行った方がいいと思います。
Next Match : J1第8節 vs サガン鳥栖
ミッドウィークのルヴァンカップの試合を経て、日曜日にアウェイで鳥栖と戦います。
ここまでの鳥栖は、8試合で1勝。8戦でわずか1得点と18チームの中で一番苦しんでいるチームですが、昨年も苦しんでいた時期に連勝を重ねて残留をもぎ取ったチームなので、正直やりにくい相手です。
FWフェルナンド・トーレスだけではなく、FW金崎夢生やMF高橋秀人、FW豊田陽平にMF原川力など、経験豊富な選手が多いですし、力のあるチームです。
湘南は、川崎戦で早々に負傷交代を余儀なくされたMF武富孝介の状態が気がかりです。
誰が出ても湘南らしいサッカーができるとはいえ、ここまでの武富の活躍は4得点以外にも前への推進力と守備への貢献、堅実なプレイという点でMVP級の活躍を見せています。
もしも武富が出られないなら、MF中川寛斗やFW大橋祐紀にチャンスがあるでしょう。
昨年のアウェイ鳥栖戦はリーグ終盤の29節に行われ、残留に向けてお互いにターニングポイントとなる試合でなんとか勝つことができました。

まだリーグ序盤戦ですが、湘南にとってリーグ戦3戦勝ちなしで迎えるこの試合は、前半戦のターニングポイントになる予感がします。
ボクはDAZN観戦ですが、それぞれの応援スタイルで鳥栖に勝つべくサポーター一丸でアクセラレーションしましょう!