こんにちは、イギリスに語学留学経験があるKAZUです。
初めてイギリスに行ったのは、2004年12月、ホームステイしながら語学学校に3ヶ月通いました。
初めての海外生活、英語は学習していたものの、話す機会を持たず外国のことも全くわからない自分にとって大きな一歩でした。
最初の語学留学地として選んだのが、イギリス南東部にある海沿いの町、Margate(マーゲイト)です。
小さくてこじんまりとしていて、1日あれば十分周れてしまう町ですが、3ヶ月間暮らしていたので個人的に思い入れが深く、また行きたい町でもあるのでここで紹介します。
目次 [contents]
Margate(マーゲイト)の町について。
イギリス南東部にあるMargateは、地図上では以下のところに位置しています。
電車ではLondonのVictoria駅(ヴィクトリア駅)から1時間30分程度、Victoria Coach駅からコーチ(長距離バス)で2時間くらいかかります。
MargateはKent(ケント州)に属しています。地図を見ると東の方へこの辺り一帯が突き出ているようになっており、となり町のBroadstairs(ブロードステアーズ)やRamsgate(ラムズゲイト)を含めてThanet(サネット)という地域名で呼ばれています。
海沿いのリゾートとして18世紀から栄えていたそうですが、そのきっかけは1736年にジョン・ルイス牧師がMargateの町の鳥瞰図を載せたサネットの歴史本を出版したことと、
新聞の告知欄に海水浴場として宣伝されたことが大きな転換期となったそうです。
この時代、海水浴場は健康に良いものとして捉えられていました。イギリスではすでにLiverpool(リバプール)や、Scarborough(スカーバラ)、 Brighton(ブライトン)などの海辺の町で慣例化されていました。
しかし、現代のように海水浴をする環境は整っていません。一目を気にせず着替える場所や休む場所などです。
そこで登場するのが、
bathing machine (移動式更衣室)
です。名前に“machine”とついてますが、馬が引く少し大きな荷車に幌がついたようなものです。
以下のBBC Oneの番組が参考になりますのでご覧ください↓
たくさんの海水浴客に対して移動式更衣室の数は圧倒的に少ないので、Margateの町の中心に更衣部屋が作られたそうです。
その建物は残念ながら現存していませんが、ハイ・ストリートの1階建てのお店にその面影を残しています。
こうしてMargateは海辺のリゾートとしてたくさんの中流階級から上流階級の人々を受け入れ、栄えていきました。
しかし、第二次世界大戦で砲撃を受けて人口は大幅に減少、大小合わせて1,400ほどあったホテルが1943年にはわずか2つになってしまったそうです。
戦後、立ち直りかけたところに嵐によって様々な建物が壊滅状態に。
イギリス経済の悪化と産業構造の変化によって90年代後半に入っても町は廃れていき、町を再活性化させようと建物を改築したり新しく立て直したりと様々な計画を立てて実行していったとのことです。
2010年代になって美術館が建てられ、町のシンボルの一つでもあった遊園地のDreamlandが復興してオープンし、アンティークで有名な町の一つとなり、2016年に訪れたときはだいぶ町が活気づいてきたと現地の人から伺いました。
では、町の様子と名所を少しだけ紹介します。
Margate(マーゲイト)の見どころ。
駅からビーチ、ハイ・ストリートへ
Margate駅を降りて数分もあるけばビーチが見えます。
ビーチに沿ってハイ・ストリート方面に向かうと、クロックタワーが見えます。
ハイ・ストリートには、チェーン店からレストラン、アンティークショップなど様々なお店が並んでます。
Tudor House(チューダー・ハウス)
ハイ・ストリートを越えて東側に進んでいくと、いくつか歴史的な建造物がありますが、その一つがこのチューダー・ハウス(Tuder House Museum)です。
チューダー様式のこの建物は1525年に建てられた、Margateの中で最も古い建物です。
参考 チューダー様式Wikipedia中はミュージアムとなっていて見学(有料)することができます。
周辺にハーブが植えてあったり、壁がお花等で装飾されていてきれいでした。
実は中に入ったことがないので、今度Margateに行った際には中を見学したいと思います。
参考 Tudor House Margate(英語ページ)Visit KentTurner Comtemporary(ターナー・コンテンポラリー)
2011年に開館した美術館です。
ロンドンのコヴェント・ガーデンで生まれたイギリス人画家のウィリアム・ターナー(1775年4月23日-1851年12月19日)が、数年ほどMargateに滞在していたときの住居の跡地にできたのがこの美術館です。
参考 J.M.W.ターナー「イギリスロマン主義の風景画」アートペディア一時期の隆盛からは程遠く町が寂れてしまったこともあって、1994年からターナーのギャラリーを新しいアトラクションとしてつくるというアイデアがあったそうです。
ターナーの作品と、Margateにゆかりのあるアーティストの作品を展示することを狙いとして建造され、2011年にオープン。
入場料はフリー(無料)です。
The Old Kent Market(ジ・オールド・ケント・マーケット)
真っ赤な建物が目印のマーケットです。
中では、野菜やパンなどの食べ物や工芸品、クラフトビールやカクテルなど様々なものが売られています。
ダブルデッカーバスを利用したカフェもあります。
他にもまだまだ見どころがあります。次回訪れたときにアップデートしていきたいと思います。
余談:2016年Margate旅行記。
ここからは、Margateの紹介とは別に少し余談となります。
2016年イギリス旅行をした際に再びMargateを訪れることにした理由が一つあります。
それは、
ホストファミリーに会う
ということです。
語学留学時にお世話になったことのお礼をどうしてもしたかったのです。
というのも、語学留学をした当時はスマホの存在はなく、SNSはMySpace(日本ではmixi)が全盛でしたがまだまだ広まっておらず、連絡手段がなかったので連絡できずじまいでした。
2005年に別れを告げたときに、「引っ越すかもしれない」と言っていたので、もしかしたら会えないかもしれないと思いつつ、
早朝にMargateの町に行って、自分が住まわせてもらったお家に行ってみたら、外の様子から明かに他の方が住んでいることがわかりました。
覚悟はしていたのですが、写真をたくさん持っているし家族みんなの名前もわかるし、何か手がかりを探してみよう、店が空いたら聞き込み調査をしてみよう、と考えふらふらとしていました。
ちょうど、ハイ・ストリートを午前10時前くらいに通ったら、
とあるお店の前から見覚えのある顔が…
それがなんと、ホストファザーだったのです!
その瞬間、まるで映画のようでした。
お互いがたぶん同じ表情をしていたと思います、びっくり仰天、指を差し合って、もしかして…という感じで。
ハイ・ストリートでアンティークの店を経営していて、たまたまそこを通りがかった自分、営業開始前に軒先に出ていたホストファザーがばったり会ったというものすごいミラクルでした。
その日は、お店でいろいろと語り合い、翌日に引越し先のお家に招待いただき、他のホストファミリーとも再会。約11年ぶりの再会でした。
翌年の2017年に旅行しようと思いましたが、2017年、2018年、そして今年と見送ってきたので2020年夏に会いにいきたいと思います。
留学当時はお世話になったしいろいろと会話もしたけど、Margateの町や歴史などについて話したことはあまりなかったので、
生まれも育ちもこのエリアで育ったホストファミリーにMargateの魅力を次はインタビューしたいと思います。
また、今まで訪れたところも含めてもう一度、地元の方々にも話しを聞きながら、Margateがどんなところか紹介できればと考えています。
2016年Margateで他に訪れたところ。
以下、写真を中心に訪れたところを紹介します。
以前はMargate Language Centreという語学学校でしたが、大きな語学学校に買収されたのでしょうか、Language in Margateという語学学校になってます。
こじんまりとしてアットホームな語学学校でした。
語学学校のすぐ近くにある図書館。ときどきここで学習してました。
図書館の脇にバス停があります。こちらはサネット・ループ(Thanet Loop)といって、Margate、Ramsgate、Broadtairsを山手線のようにグルグル回っているバスです。
こちらでフィッシュアンドチップスをいただきました。次回訪れたときは食レポをしたいと思います!
留学時にホストファミリーが住んでいた家は左側の家が立ち並ぶところにありました。いつもこの公園の前を通り過ぎていて、のどかな気分を毎日味わってましたね。
日が暮れてくるとビーチはこんな風景に。
2016年に訪れたときに泊まったクレセント・ハウスというホテル。
シルバーが基調の大人っぽくも可愛らしいお部屋でした。オーシャンビューの部屋もあります。
朝食はこれまたステキなホテルのレストラン&バーで、ベジタリアン・イングリシュ・ブレックファスト(Vegetarian English Breakfast)をいただきました。
留学時は存在そのものは知っていたものの、近くにグラウンドがあるとは知りませんでした。Margate FCはサッカークラブで、当時は5部か6部あたりに所属していたと思います。
イングランドは実質4部までがプロで5部以降はアマチュアです。
普通に入ることができました。左側がゴール裏のスタンドで、右側はグラウンド。本拠地の名前はハーツダウン・パーク(Heartsdown Park)です。
実は、以前ブログ記事に書いたのですが、イギリスが誇るインディーロックバンドのThe LibertinesがMargateのとあるホテルを買い取り、スタジオを作って新しい拠点としています。

そしてそのThe LibertinesがMargate FCのスポンサーに2018-2019シーズンからなり、胸には彼らの作品のジャケットでもお馴染みのバンド名のロゴが入ってます。
参考 リバティーンズ、地元サッカー・チームのユニフォームにバンドのロゴが掲載されることにNME日本語版 公式サイトInstagramの「margateofficial」というアカウントに、ギタリスト兼ヴォーカルのピート・ドハーティがユニフォームを着た写真がありました↓
知らない人からみたら、The Libertinesのシャツのように見えますね。
参考 Margate FC Official SiteMargate FC Official Site補足ですが、背中には、「FUJIFILM」の文字が入っています。
大小の公園や広場があって、町の中心でも緑が多いMargateにあって一番大きな公園がデーン・パーク(Dane Park)です。
広場でアンティーク市があったり、小さな子ども用の遊具があったりと、それなりに大きな公園で、途中ボーリングをやっている方々がいらっしゃいました。
ボウリングといっても、ここで行われていたのはローン・ボールズと呼ばれるものです。
詳しくはこちらの記事を参照してください↓
参考 ローンボウルズWikipediaThe Old Bank Bookshopという、元は銀行だったところが建物の外観はそのままに古本屋になっています。
以上、たくさん写真を掲載して紹介しました。
ロンドンやガイドブックに載るような都市と比べたら、特別に写真映えするスポットはないかもしれません。
しかし、都会の喧騒とは別にのんびりとした空気を感じるのにはうってつけの場所です。
歴史的に浮き沈みの激しい町ですが、近年は美術館に始まり、遊園地の復興、The Libertinesが活動の拠点とするなど、町が今までとは違った方向に活気づいています。
また、ここまで書いてきた以外にDreamlandを含めボクが行ったことないところもたくさんありますし、
留学時に訪れていても深く理解しないまま通り過ぎているものもあるのですが、ボクにとってイギリスの中で一番思い入れのある町、エリアですので、次回訪れたときに改めてその魅力を伝えたいと思います。
Margateのまとめ。
- ロンドンから電車で1時間半ほど
- 海沿いの小さな町(元々は海辺のリゾートタウン)
- ターナー現代美術館が2011年から開館
- 近年はアンティークで盛り上がっている
- The Libertinesの新しい活動拠点
以下の動画がMargateの雰囲気を感じられると思います↓
お読みいただきありがとうございます!
Thank you for your smile 😀